デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)|対象と申請

AI導入費の補助を使いたい中小企業・個人事業主は、GビズIDプライムの準備と登録ツールの選定から始めましょう。申請はIT導入支援事業者と共同で進め、契約は交付決定後に行います。

申請までの4段階の図。1.事前準備(GビズIDプライム発行目安約2週間・SECURITY ACTION宣言発行目安約2〜3日)2.登録ツールを選ぶ 3.支援事業者と共同申請する 4.交付決定後に契約する

デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)とは、中小企業などが生産性を高めるために導入する、登録済みのソフトウェアや関連サービス等の費用を支援する制度です。

制度・日程は2026年9月22日の公式情報、通常枠の条件は2026年8月28日更新の公募要領を基に整理しています。

出典:事務局 通常枠公募要領(2026年9月22日確認)。

旧IT導入補助金から何が変わった?

別の補助金への置き換えではなく、名称変更です。 同時に、過去の交付決定を受けた事業者の申請要件と、AI機能を持つツールの表示も見直されています。

令和7年度補正予算事業から、「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と名称を変更しました

出典:中小企業庁 公募要領公開のお知らせ(2026年9月22日確認)。

申請画面や事務局のメールに旧名称が残っていても、2026年度の申請では新名称として扱う案内が出ています。

2022〜2025年のIT導入補助金で交付決定を受けた事業者には、事業計画期間の賃上げ要件が追加されました。非常勤を含む全従業員の1人当たり給与支給総額について、年平均成長率を日本銀行の「物価安定の目標」に1.5パーセントを加えた水準以上とし、交付申請時点で従業員へ計画を表明する必要があります。

AI関連では、検索画面からAI機能を持つ登録ツールを絞り込めます。名称にAIが加わったことと、あらゆるAI契約が対象になることは別です。

出典:事務局 2026年の主な変更点(2026年9月22日確認)。

中小企業や個人事業主は誰が対象になる?

個人事業主も対象に含まれます。業種ごとの規模区分と、それ以外の申請要件を分けて見るのが入口です。

代表的な業種を示します。会社は資本金または常時使用する従業員数、個人事業主は従業員数で判定します。

業種資本金従業員
製造業(ゴム製品製造業を除く)・建設業・運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)5千万円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下

出典:事務局 通常枠公募要領2-1-1(1)(2026年9月22日確認)。

ゴム製品製造業、ソフトウェア業、旅館業や医療法人などは、公募要領の別区分を使います。

法人は国内で登記・事業を行い、本社と補助事業の実施場所も国内にあること、個人は補助事業の実施場所が国内にあることなどが要件です。宗教法人や法人格のない任意団体などは対象外です。

小規模事業者は商業・サービス業では従業員5人以下が基準です。宿泊業・娯楽業はこの区分から除かれ、製造業その他と同じく20人以下で判定します。会社役員と個人事業主本人は人数に含めません。

出典:事務局 通常枠公募要領2-1-1・2-1-2(2026年9月22日確認)。

申請前に必要な準備は何?

事前にそろえるのは、GビズIDプライムと、SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の宣言です。

出典:事務局 申請前に必要な手続き(2026年9月22日確認)。

これは申請全体の所要日数ではありません。発行目安の長いGビズIDプライムを先に準備し、商談・書類収集・入力内容の照合に使う時間も残します。

社内の運用面は、生成AIの社内ルールを作る際の確認項目で整理できます。入力情報や責任の整理と、申請要件としての宣言手続きは分けて進めます。

5つの枠・類型はどう違い、AIはどこに入る?

AI専用の新設枠はなく、業務と登録ツールに合う枠で検討します。インボイス枠の2類型を分けた5区分です。

枠補助率補助額・上限主な対象経費
通常枠1/2以内。2024年10月〜2025年9月に、地域別最低賃金以上・2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇う従業員が全従業員の30%以上となる月が3か月以上あると示した事業者は2/3以内1〜3プロセス:5万円〜150万円未満。4プロセス以上:150万円〜450万円以下ソフトウェア、クラウド利用料(最大2年分)、オプション、導入関連の役務
インボイス枠・インボイス対応類型ITツール補助額の50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)。50万円超〜350万円の部分は2/3以内。ハードは1/2以内ITツール350万円(1機能のみは50万円)。PC・タブレット等10万円、レジ・券売機等20万円インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト等とハードウェア
インボイス枠・電子取引類型中小企業・小規模事業者は2/3以内。大企業は1/2以内350万円受注側へ無償アカウントを供与する受発注ソフト。クラウド利用料は最大2年分
セキュリティ対策推進枠中小企業は1/2以内。小規模事業者は2/3以内5万円〜150万円以下サイバーセキュリティお助け隊サービスのうち、事前登録されたサービスの利用料(最大2年分)
複数者連携デジタル化・AI導入枠基盤導入は1/2〜3/4・4/5。分析経費と事務費は2/3以内基盤導入と消費動向等分析の合計3,000万円。事務費・専門家費200万円商工団体等による10者以上の連携での基盤導入・分析。AIカメラや需要予測システム等

出典:中小企業庁 制度概要・各枠の補助内容(2026年9月22日確認)。

申請の単位で分けた5つの枠の図。自社単独で申請する4枠(通常枠・インボイス枠インボイス対応類型・インボイス枠電子取引類型・セキュリティ対策推進枠)と、複数事業者で連携する1枠(複数者連携デジタル化・AI導入枠)

通常枠の2/3は最低賃金の条件、セキュリティ対策推進枠の2/3は小規模事業者の区分に対応します。大企業も対象なのは電子取引類型です。

通常枠の「プロセス」は、顧客対応・販売、在庫・物流、会計、人事・総務などの業務区分です。汎P-07の汎用・自動化・分析ツールだけでは単独申請できず、共P-01〜各業種P-06のいずれかと組み合わせると1プロセスとして数えられます。

申請額5万円〜150万円未満の通常枠では賃上げ目標は原則加点ですが、2022〜2025年に交付決定を受けた事業者は要件になります。150万円〜450万円以下では賃上げ目標が要件です。

出典:事務局 通常枠公募要領2-2(3)・補足2(2026年9月22日確認)。

生成AIを使う業務を一つに絞る考え方で業務名を書き出し、登録上のプロセスと照合します。上限に合わせて機能を増やすのでなく、必要な業務から選びましょう。

AI機能のあるツールが対象か、どう見分ける?

判断の順番は、事務局への登録、対象枠とプロセス、搭載するAI機能です。市販のAIサービスを自分で契約したという理由だけでは、補助対象になりません。

事務局のITツール検索で通常枠を選ぶと、生成AI、または生成AI以外のAI技術で絞り込めます。前者は文章・画像・プログラム等を生成するモデル、後者は分類や分析、判断、予測などを担うモデルに基づく機能です。

出典:事務局 ITツール登録要件/ITツール検索(2026年9月22日確認)。

AI搭載の表示は支援事業者の申告に基づくため、具体的な機能はその事業者に照会します。検索結果にはオプション・役務が含まれず、2026年への移行登録済みツールも順次反映中です。検索で見つからないだけで対象外と決めず、登録状況を照会します。

出典:事務局 ITツール検索・注意事項(2026年9月22日確認)。

登録の有無に加え、用途別のAIツール選定基準も使い、自社の作業に合う機能を選びましょう。

自社だけで申請できないのはなぜ?

登録されたIT導入支援事業者と組むことが必要だからです。マイページへの招待は支援事業者から受け、最後の確認と提出は申請者が行います。

  1. 業務課題と候補を決める:支援事業者と相談し、ツールと見積もりをそろえる。
  2. 招待を受ける:申請者がマイページを開設し、自社の基本情報を入力する。
  3. 申請内容を作る:支援事業者がツール情報や事業計画値を入力する。
  4. 申請者が提出する:内容を照合し、宣誓して事務局へ送る。
  5. 交付決定を待つ:決定後に契約・導入・支払いへ進む。
  6. 報告する:実績報告を提出し、補助額の確定・入金を経て効果報告へ進む。

マイページのIDとパスワードは申請者が管理し、支援事業者を含む第三者へ渡さないことが要件です。

出典:事務局 通常枠公募要領3-1・2-1-1(2)/申請フロー(2026年9月22日確認)。

申請者と支援事業者で担当が分かれる6段階の図。1.業務課題と候補を決める(支援事業者)2.招待を受ける(申請者)3.申請内容を作る(支援事業者)4.申請者が提出する(申請者)5.交付決定を待つ(申請者)6.報告する(申請者)

どの費用が対象で、導入後は何を守る?

通常枠ではソフトウェアと導入に関連する費用が中心です。費目だけでなく、契約時期・支払方法・導入後の報告まで計画します。

見積もりはどう分ける?

通常枠のソフトウェアは月額・年額契約も最大2年分が対象です。オプションのうちデータ連携ツールとセキュリティは最大1年分。導入・活用コンサルティング、設定、マニュアル作成、研修、保守サポートなどの役務は、補助対象経費の上限が200万円です。

通常枠にハードウェア費は含まれません。交通費・宿泊費、申請や報告の代行費、消費税、無償提供品、リース・レンタルのITツール、中古品なども対象外です。見積もりをソフト本体・オプション・役務・対象外費用に分けます。

出典:事務局 通常枠公募要領2-2(2)・(4)(2026年9月22日確認)。

支払いと補助金の入金は、どちらが先?

先にツール代を払い、実績報告などを経て補助金を受け取ります。補助額を差し引いた金額だけ払う資金計画にはしないでください。

交付決定より前に契約・発注すると対象外です。支払い前に支援事業者から請求を受け、原則、銀行振込またはクレジットカードの1回払いで支払います。現金払いは認められず、カードの分割・リボ払いも対象の方法に入りません。

法人のカードは法人名義の口座から決済されるもの、個人事業主のカードは代表者本人名義のものを使います。

出典:事務局 通常枠公募要領2-3・3-4(1)(2026年9月22日確認)。

入金後は自由に解約できる?

入金で手続きは終わりません。効果報告は3年度分あり、ツールの解約・利用停止は、一部だけでも事業の辞退として手続きが必要になることがあります。辞退に伴い、補助金の全部または一部を返す扱いもあります。

賃上げ目標が要件の事業者は、効果報告前かつ目標達成の判定前に辞退すると、目標未達として全額返還になります。報告・継続利用の条件も、経理や給与の担当者と共有しましょう。

出典:事務局 通常枠公募要領3-5(2026年9月22日確認)。

残る締切はいつで、申請数と交付決定数はどう見る?

2026年9月22日時点の事務局の公表では、通常枠などの6次は10月30日、7次は12月1日で、いずれも17:00締切です。申請数と交付決定数は回次別の公表値で読みます。 5次の9月29日17:00は、本記事の公開時点では締め切られています。

2026年の交付申請受付は3月30日10:00に始まりました。通常枠、インボイス枠の両類型、セキュリティ対策推進枠の今後の日程は共通です。

出典:事務局 事業スケジュール(2026年9月22日確認)。

募集回の扱いについて、事務局は次のように案内しています。

※ 確定している募集回のスケジュールのみ公表しております。以降のスケジュールは随時更新いたします。

出典:事務局 事業スケジュール・注記(2026年9月22日確認)。

締切後は受け付けられず、直前は画面遷移やSMS認証が遅くなる可能性があります。最終時刻に提出を集中させず、支援事業者と作業日程を決めます。

通常枠の申請数と交付決定数は、2026年9月2日更新の公表値で次のとおりです。

出典:事務局 交付決定事業者一覧(2026年9月22日確認)。

過去の件数を自社の採択見込みには置き換えません。審査内容は採択・不採択のどちらでも非開示で、不採択理由も事務局の通知事項以外は開示されません。

出典:事務局 通常枠公募要領3-2(5)(2026年9月22日確認)。

個人の受講料や、会社の研修費とはどう分ける?

登録ツールの導入、個人の受講料、従業員の研修は、申請者と対象経費が違います。

出典:中小企業庁 制度概要/厚生労働省 人材開発支援助成金(2026年9月22日確認)。

事業展開等リスキリング支援コースは、雇用保険適用事業所の事業主が、被保険者である労働者に、職務に関係する10時間以上のOFF-JTを実施することなどが条件です。

令和8年度の案内では、中小企業の経費助成は75%、賃金助成は1人1時間1,000円です。中小企業の経費助成限度額は受講者1人につき、10時間以上100時間未満なら30万円、100時間以上200時間未満なら40万円、200時間以上なら50万円。eラーニング・通信制・定額制サービスの訓練は経費助成のみで、賃金助成は対象外です。

出典:厚生労働省 令和8年度版コース案内・4月8日版(2026年9月22日確認)。

2026年8月3日からの変更では、DX・GX関連の訓練について、職務に直接結びつかない汎用的な内容が対象外とされています。 厚労省は、営業担当者が生成AIで商品提案書の構成・文章・修正を学ぶ訓練を対象の例に、特定業務への適用を伴わない汎用的なプロンプト作成の訓練を対象外の例に挙げています。

出典:厚生労働省 8月3日からの変更点(2026年9月22日確認)。

ツールに付随する導入研修と、従業員向けの職業訓練は別々に整理します。誰が何の業務を学び、どの費用を申請するかを書き分けましょう。

よくある質問

提出した申請を、結果が出る前に取り下げられますか?

通常枠では、提出後の申請は結果が公表されるまで取り下げられません。不採択になった場合は、次回以降の締切に向けて申請できます。

出典:事務局 通常枠公募要領3-2(4)(2026年9月22日確認)。

2025年に交付決定を受けていても、すぐに通常枠へ申請できますか?

2025年の通常枠または複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、その交付決定日から12か月以内には2026年の通常枠へ申請できません。前回の枠と交付決定日を先に照合します。

出典:事務局 通常枠公募要領3-2(4)(2026年9月22日確認)。

交付決定されると、会社の情報は公表されますか?

交付決定を受けた事業者は、名称・法人番号・所在地が公表されます。所在地の公開範囲は市区町村までです。

出典:事務局 通常枠公募要領3-3(2026年9月22日確認)。

まとめ

AI導入の補助は、登録ツールと支援事業者を選び、自社の業務・規模・申請要件を照合して進めます。
GビズIDプライムなどの準備を先行させ、公表されている締切に合わせて共同で申請します。
契約は交付決定後に行い、先払いする資金と、入金後の報告・継続利用まで計画しましょう。